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腹部大動脈瘤(トリプルA(AAA)自覚症状のないまま忍び寄るサイレントキラ

腹部大動脈瘤(Abdominal Aorta Aneurysm,通称「トリプルA(AAA)」)は腹部の動脈の一部が風船様に拡張する疾患で,通常は破裂するまで自覚症状がありません。腹部大動脈瘤が破裂すると,多くは死に至ります。

 

 

統計によると,65歳以上の男性の4%,女性は1%に腹部大動脈瘤があると言われており,年齢が上がるにつれてその割合も高くなります。一方で,多くの人が腹部大動脈瘤の存在に気づいていないのが実態です。

 

 

腹部大動脈瘤の症状は?

通常,腹部大動脈瘤には自覚症状がありません。最も一般的な症状は痛みですが,動脈瘤が膨張または破裂するまで感じません。痛みは腹部の中心から始まり,背中やわき腹に広がっていきます。その他の症状は動脈瘤の場所や周辺組織への影響の有無によって異なります。動脈瘤が大きく,これが破裂すると腹部内で大量に出血し,最終的には死に至ります。

 

 

腹部大動脈瘤の原因は?

腹部大動脈瘤の原因は明らかになっていませんが,ある研究によると,喫煙が最も大きな原因とされており,大動脈瘤の発生率は人口における喫煙率の低下に比例して低くなると報告されています。この他には,飲酒,高血圧,遺伝等も影響します。

 

 

腹部大動脈瘤の診察

確立された診察方法はありませんが,腹部のX線検査の他,超音波検査が最も簡易な方法です。痛みもなく,妊婦の子宮内胎児検査にも用いられているものです。超音波を使って動脈瘤の大きさを測ることもできます。拡張の大きさによってその後の治療が変わってくるため,動脈瘤の大きさを特定することは非常に重要です。年に一度の定期健診も有効です。

 

 

腹部大動脈瘤が小さく急激な進行も見られない場合は経過観察となりますが,拡張が直径5.5センチ(2.2インチ)以上になると致命的な破裂となる可能性があるため,早急に手術が必要となります。

 

 

以前は高リスクで大量の出血を伴う開腹手術が行われていましたが,現在は腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(EVAR)という新たな治療法が用いられています。ステントグラフト内挿法は大きな切開を伴わない最小侵襲治療ですが,高度な技術を必要とします。

 

 

パヤタイ2病院心臓センターまでお問い合わせください。

パヤタイ2病院国際対応センター

Tel:+66-2617-2444内線2020または2047,E-mail:onestop@phyathai.com

 


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