風邪とは違う副鼻腔炎

鼻づまりで，頭痛だけでなく，目や頬の痛みを感じるほどのひどい風邪をひいたことはありますか？このような症状のある場合，単なる風邪で休養や水分補給，市販薬などで治ると考えられがちですが，症状がいったん引くものの再発し，長引いて日常生活に影響が出るような場合には，副鼻腔炎の可能性があります。

上顎洞（頬骨の中）

前頭洞（額の下部）

篩骨洞（鼻筋と目の間）

蝶形骨洞（鼻の上側，目の奥）

鼻腔と同じく，副鼻腔の粘膜の層は線毛という細かい毛で覆われており，この線毛が異物をとらえてプロペラのように外に出す働きをしています。そのため，細菌感染等によってこの線毛が十分に機能しなくなると，副鼻腔炎を引き起こします。喫煙，冷気，過度の乾燥，一部の薬剤も副鼻腔炎の原因となることがあります。

副鼻腔炎の症状は風邪に非常によく似ていますが，風邪と異なり顔の痛みや副鼻腔の圧迫感を伴うことが多くあります。他には次のような症状があります。

• ドロっとした黄色から緑色の鼻水

• 息が苦しくなるほどの鼻づまり

• 頬骨，こめかみ，目の周辺の痛み（炎症を起こしている副鼻腔の場所によって異なります）

• 嗅覚の低下

• 頭痛

• 口臭

• 場合によっては発熱

• 咳（特に夜間）

• 診察

• 鼻の内視鏡検査

• CTスキャン，副鼻腔のX線検査，MRI等の画像検査を行うこともあります。

治療法は症状の程度や急性か慢性かによって異なります。かかりつけの医師にご相談ください。治療法には，生理食塩水による鼻うがい・加湿といった自宅での対処法，炎症や痛み，詰まりを緩和する薬剤，抗生物質，抗真菌剤の使用，鼻スプレーの他，機能的内視鏡下副鼻腔手術（FESS）による外科的治療法もあります。

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