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脳卒中に対する血栓回収療法

動脈から脳の間の詰まりによって起こる虚血性脳卒中(片側不全麻痺・片麻痺)は脳卒中患者の25%に相当し,死亡や障害の主な原因となっています。死亡率は70%以上にも上り,発作後3時間以内にtPA(血栓溶解剤)静注療法を施せば20%まで低下しますが,50%には後遺症が残ります。そうしたことから,脚の血管からステントを挿入し脳の閉塞部位まで通して血栓を回収,取り除く治療法が開発されており,2001年に米国で初めて「MERCI」と呼ばれるステントを使用して実施されました。

 

 

当初,閉塞箇所からの血栓回収で期待したような効果が得られませんでしたが,後にステント型の血栓回収器具を使用することによって効率的に回収する治療法が考案され,すばやく完全に脳動脈を開通させることが可能になりました。この治療は閉塞部分を血管造影しながら行います。

 

 

成功率

血栓回収術の成功率は一般に75%です。脳卒中の発生から6時間以内に治療を行う必要があり,早ければ早いほど成功率も高くなります。脳卒中の治療は時間との勝負です。

 

 

治療のリスク

治療による脳卒中後の出血の発生率は5~10%です。ただし,血栓回収術を受けなければさらに激しい脳卒中の起きるリスクが高くなり,脳に重大な障害を与える可能性があります。

 

 

当院では,経験豊富な専門医が最新設備を使用した先進国水準の治療を24時間体制で行っています。死亡率10%,後遺症が残る確率は30%,60%は後遺症なしで治癒しています。脳出血の発生率も6%です。

 

 

血栓回収療法は,血栓溶解剤療法に適応しない場合や発作後数時間以内に血栓溶解剤療法の効果が現れない場合の治療の選択肢となります。

 

 

パヤタイ2病院脳神経科センターまでお問い合わせください。

パヤタイ2病院国際対応センター

Tel:+66-2617-2444内線2020または2047,E-mail:onestop@phyathai.com

 


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